老眼と視覚障害

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老眼と視覚障害の違い

老眼は加齢によって水晶体の弾力が失われ、近くの物が見えにくくなる現象で、一般的に40歳頃から症状が現れます。これは視力の調節力が低下する自然な変化であり、適切な老眼鏡で補える場合が多いのが特徴です。 一方、視覚障害とは視力や視野に重大な障害があり、生活に支障をきたす状態を指します。視覚障害は老眼とは異なり、単なる屈折異常ではなく、緑内障や網膜色素変性症などの疾患によって引き起こされることが多く、早期発見が不可欠です。 このように、老眼は加齢による自然現象であるのに対し、視覚障害は病的な原因によるものであり、症状の進行や生活への影響も大きく異なります。

眼鏡店と眼科でできることの違い

かつては視力の低下を感じると眼鏡店で老眼鏡を作るのが一般的でした。しかし、眼鏡店で行われるのは主に視力の屈折を調べる検査であり、視野や眼底の異常までは把握できません。 その結果、緑内障や網膜色素変性症などの病気が見逃されるケースがあり、手遅れになってしまうことが社会的な問題になりました。たとえば、眼鏡店を利用したあとに視野狭窄を感じ、眼科を受診した際にはすでに中等度以上の緑内障に進行していたという例が報告されています。 このような背景を踏まえ、視力の異常を感じた場合は、眼鏡店だけでなく眼科で専門的な診察を受けることが重要です。眼科では視野検査や眼底検査などを通じて病気の兆候を発見することができます。

社会的な啓発活動とその影響

日本ではこの問題に対応するため、日本眼科医会などが中心となり、テレビや新聞などで「40歳を過ぎたら眼科検診を」と呼びかける大規模な啓発キャンペーンが展開されました。 中でも、ACジャパンによる公共広告では「見えにくさは老眼だけじゃない」というメッセージが強調され、多くの人に検診の重要性を訴えました。また、アイフレイルという言葉が注目されるようになり、これは視機能の衰えを早期に見つけ対策するという視点で、特に高齢者を対象とした眼科検診が奨励されています。 こうした啓発活動により、老眼と視覚障害を混同せず、適切な医療機関を受診する意識が広まりました。

目の健康を守るためにできること

目の健康を守るためには、日常の中でのセルフチェックと定期的な眼科検診が不可欠です。具体的には、片目ずつ見え方を確認する、視野の欠損がないか意識する、違和感を感じたらすぐに眼科を受診するといった行動が大切です。 また、「老眼だろう」と自己判断せず、専門医の診断を受けることで、緑内障などの重大な病気の早期発見につながります。特に、視覚障害は進行性のものが多く、早期の診断と治療が視機能を守る鍵になります。

【参考】

１０月１０日【目の愛護デー】世界６カ国で初めて実施した「目の健康に関する意識調査」の結果を発表　日本では２人に１人が２年以上眼科検査していないと回答 ｜ ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社　ビジョンケア カンパニーのプレスリリース ＡＣジャパン支援キャンペーンで、緑内障啓発 ｜ 上社眼科 緑内障ってどんな病気？ ｜ 日本眼科医会からのお知らせ ｜ 公益社団法人 日本眼科医会 こうづき眼科ブログ：アイフレイルって何？セルフチェック・予防方法 奥州市役所：中途失明予防から始める健康増進に関する政策提言書